あーつーいーしーぬー
先日まで実家(岡山)に帰省しており、そのついでに京都観光なぞも楽しんで参りました、いよりです。
世間は夏コミらしいですが・・・特に行く用事もないので家でじっとしています。
前に言っていた「フォイエルバッハ論 」読みました。
フォイエルバッハ論 (新日本文庫 C 2-2)
3回くらい読み直して、ようやく何となくわかった、かな? って感じです。
例のごとく要点をまとめてみます。
<ヘーゲル以前の哲学>・・・形而上的
現実に存在するものは何であるか? を知ることが課題
事物をできあがっているものとして受け取り、解釈することが課題(=それがどうやってできたのか、ということを探る以前の段階である)。
科学技術が余り発展していなかったため、かなり妄想補完的な要素が含まれる。
<ヘーゲル哲学>・・・観念論
「現存する全てのものは、必然的に産み出されたものである。
必然的であるものは合理的であるので、現存するものは理性的である。
よって、我々が現存するものを悪と認識するならば、それは我々の方が間違っている」
ただし
「現実的なものは歴史的な発展に伴い必然性を失い、非現実的になっていく。
従って全てのものは時が経つにつれて存在できなくなり、より高度な段階の新しいものと入れ替わる」
→世界は「相対的な保守性」と「絶対的な革新性」からなる。
→→「これが絶対的真理だ!」 と叫んでしまったがために「絶えず革新されていく」はずの世界が「絶対的真理が得られた以上先に進む必要はな」くなる、という大矛盾が発生。結局ヘーゲルは「現在の君主制って最高じゃね」に落ち着く。
→→→ここで、「そうだそうだ王様万歳!」という右派と「更なる革新を!」という左派(=青年ヘーゲル派)との対立が勃発する。
☆「観念論」とは、本源的なものを精神であるとする立場。精神があって、その後に物質が存在する。神という意志が世界を創造した。神は永遠の昔から存在する。
逆に「唯物論」とは、本源的なものを自然であるとする立場。物質があって、その後に精神が存在する。人間という物質が神を創造した。世界は永遠の昔から存在する。
<フォイエルバッハ哲学>・・・唯物的?
脳があるから思考できる。つまり、自然(=物質)が先に存在しており、その上に人間が存在する。
よって、人と人との結びつきとしての「愛」を宗教として高めるべし。神(=精神)よりも自然的な性欲、友情といった「愛」の方が本源的なものであるからだ。
→誰でも幸せになりたいよね、理性による自制と「愛」による思いやりで皆ハッピーじゃん、というのがフォイエルバッハの道徳。
→→マルクス・エンゲルスに言わせれば、そんな甘っちょろい道徳で幸福がもたらされるわけねぇだろ! といったところ。フォイエルバッハの「自然」や「人間」といった概念は抽象的なものだし道徳で何とかしようとしちゃってる辺りからして唯物論とは言えない、あとヘーゲルさんdisるんならきちんと批判してからにしてくださいね、簡単に片付けちゃうのはいかがなもんでしょうか、というのが彼らのフォイエルバッハに対するおおよその批判。
★どうしてフォイエルバッハがそんな方向に行っちゃったのかに関しては、本書参照。
<マルクスの哲学>・・・史的唯物論
人間は、自然と同様、意識的に求められたものである社会からも、その存在を規定されている。
ブルジョアジー、プロレタリアートといった社会における経済的に異なった階級ごとの動機が、歴史的変動をもたらす。
宗教とは、こうした集団の動機、イデオロギーを反映したものである。
世界を、解釈するだけではなく、実践によって弁証法的に変革してゆくことが重要だ。
後は「共産党宣言」とかにも書かれているような、階級闘争とかそういった話がざっと書かれています。
むむむ・・・、
私としては、普段「色んなことを知ったら色んなことが考えられるようになる、だから色んなことを勉強しましょうね」くらいのノリで生きているつもりなんですけど・・・マルクス・エンゲルスにとっては、やはり進歩というのは直接的に階級闘争の話に行き着くんだなぁ、という感想。
プロレタリアートがブルジョアジーを打倒するという科学的必然は未だうまいこと達成されたとは言えない、正直いって歴史の上では本当に必然なのかどうかも疑わしい。
実践してみた結果が、旧ソ連だったり、中国だったりベトナムだったりするわけで、だからマルクス原理(悪い意味での「原理」)主義みたいな人は現代において(恐らく)少数派なんだと思うのですが、
そういう社会主義とか共産主義とかが必要とされた背景、失敗した原因、そんな知識を踏まえた上で現実を見て、文字通りマルクスの主張を実現するんじゃなく、時代にあった新しいプランを考え実践していくというのが、それが例え共産主義からはかけ離れていたとしても、真にマルクス・エンゲルスの意志を継ぐということに他ならないのではないでしょうか・・・?
いより