どうも、いよりです。
先日、大学で受けた講義が面白かったので、要約してみます。
<<ホモセクシュアリティとは>>
ホモセクシュアリティとは、同性の者同士が、何らかの性的交渉をも含む相互関係を土台として築き上げるひとつのライフスタイルである。
要するに、同性愛は性行為だけのことを指すのではありませんよ、と。
ちなみに「異性愛」は「ヘテロセクシュアル」って言うんですね。生物選択だった身としては、あぁ! って感じなんですが、余りよく聞くワードではない気がします・・・。
<<古代ギリシアの同性愛>>
- 古代ギリシア人男性の同性愛行動は、だいたいが成年男子×少年
- 古代ギリシア人にとって、成年男子が少年との接触により性的快感を得たいと願うことは正常、自然なもの。上品で名誉なこと、賞賛に値すると見なされることも
- アテネの法律・習慣も、伝統に従う限り、このような欲望の性的表現を禁止することも罰を与えることもしない
古代ギリシアの同性愛は、通常こんな感じだったようです。「攻め」「受け」がハッキリしているのが特徴です(この点、日本の藤原頼長なんかは攻め受け両方やったりしているわけですが・・・話が逸れるのでやめておきます)。
古代ギリシアは、ファロス像(男性器像)があちこちに立っていた(むしろ「勃っていた」? ゲフンゲフン )ことからもわかるように、男性原理支配が強い社会でした。ここにはたらいていた女性嫌悪原理をミソジニーといいます。
このミソジニーの為、女性役、則ち「受け」は、大変屈辱的なことであると看做されました。例えば、ペルシア戦争で敗北したペルシア人を掘ろうとしているアテナイ人の絵が書かれた壷が残っていたりします。また、妻を寝取られた夫などは姦通の現場を押さえた場合、姦夫を殺しても良かったのですが、もう一つの報復手段として姦夫の陰毛を焼き払い、大きな二十日大根(!)をその肛門に押し込むことで赤恥をかかせることもできたのだそうです。ちなみに陰毛を焼いて短くする、というのは、当時の女性の習慣です。
にしても殺すか二十日大根かって、ねぇ・・・。
ギリシアにおける同性愛は、このように「上下関係」が明確に定められたものでした。なので、「売春をしたもの」「男妾になったもの」などは、民会で演説したり官職に就いたりすることができなくなります・・・国の偉い人が、「受け」であっては社会秩序が保たれないんですよね。
社会秩序とホモセクシュアルが結びつくのは、ギリシアのみならず、日本やイスラーム圏でも同様な記録が残っています。男性が権力を握る社会でしたから、こういう「男性と男性の繋がり」は、ある種の疑似家族関係を築くもの、男性同士の絆を深めるものとして重要視されていたようです。歴史的にレズビアニズムに関する資料が余り残っていないのは、このような事情によるものだと思われます。
<最後にちょっとオマケ>
古代ギリシアにおける「やらないか」のサインについて。
古代ギリシアにタイムスリップしたとして、もし貴方が成人男性で、良い感じの美少年を見つけたときには、
「相手の正面に立ち、右腕を差し伸べ、左腕を軽く上に曲げる」
これで大丈夫です。
左手に贈り物を持つと尚良し! です。魚、兎、一才雄鳥などが喜ばれるでしょう。
また、貴方が美少年で、成年男子からこのようなジェスチャーをされた場合は
おっけー・・・「差し出された相手の右腕を両手で受ける」
やめてください・・・「右手で、差し出された相手の右腕を掴んで止める」
で対応しましょう。
そんなこんなで。
そういえば、久しく二十日大根を食べてないなぁ。
いより
授業で紹介された参考文献。